意匠登録出願の勧め

1.意匠権の効力

意匠権の効力は、登録意匠及びこれに類似する意匠に及びます(意匠法23条)。そして、登録意匠の範囲は、願書の記載及び願書に添付した図面・写真などにより現された意匠に基づいて定める(同法第24条第1項)とされ、登録意匠とそれ以外の意匠が類似であるか否かの判断は、需要者の視覚を通じて起こさせる美感に基づいて行う(同条第2項)こととされています。

2.意匠権の問題点

上記のように法律では定めてはいるものの、登録意匠と同一の意匠は明確でも、登録意匠と類似する意匠はどのようなものであるかは依然として不明確です。一般に類似の幅は狭いと解釈した方が良い(無難である)ため、考えられる類似意匠や、権利として確保したい非類似の意匠、或いは真似されたくない非類似の意匠は全て意匠出願をするのが好ましいが、結果、出願費用が嵩むという問題があります。
このような事情から意匠登録出願は非常に少ないという状況が続いて来ました。

3.意匠権の利点

しかしながら、意匠は見たままであることから侵害の発見が容易である、このため税関での差押えができる、などのメリットがあります。
また、権利が安定している(無効審判によって無効になりにくい)という特徴があります。更に、権利期間が登録から20年と長いというメリットがあります。
更に、登録後、一定期間秘密にできるという秘密意匠制度があり、権利客体の公示を遅らせることができます。
近年、意匠登録は出願から6ヶ月から1年以内です。登録意匠の存在により、自己の商品・製品が最先のものであるという証拠になり、販売戦略を立てやすくなります。また、登録意匠の存在により、侵害事件が発生したとき、不正競争防止法の適用を合わせ技で主張し易くなります。
そこで、このような有利な特徴を活かして、意匠制度を活用されることをお勧めします。